不完全な自分を認めて今できることをする

 人間は誰でも失敗をします。失敗から学ぶことで、人は成長できる。ただしそのためには、失敗を受け入れる必要があります。レッスン2では、失敗した「不完全な自分」を受け入れる方法を学びましょう。難しいことではありません。今の自分が無理なくできることをする。それだけです。

 家事を例に取るなら、いきなり「料理も掃除もパーフェクト」を求めるから、現実離れするのです。「今日はシンクまわりだけきれいにすればOK」などと、実現可能な目標を定め、少しずつ実行しましょう。

 面白いもので、そんなふうに地に足がついた生活をしていると、「鍋を焦がす」ような失敗をしたときにも、「あーあ、まあしょうがないな」ぐらいに軽く受け流せるようになります。こうなれば、少々の失敗をしても気持ちを切り替え、落ち着いて対応できます。

 そして、そんな経験を積み重ねることで、少しずつ「失敗してもなんとかなるものだ」という感覚がココロに宿ります。こんなふうにして、不完全な自分を受け入れ、信頼するところから「自己肯定感」が生まれ、揺るぎない自分を保てるようになるのです。

Lesson2 完全じゃなくていい今の自分にできることを確実に、実践しよう
理想の自分にとらわれた完全主義を手放すには、現実と向き合い、「不完全な自分」を受け入れること。それにはまず、仕事、家事、人間関係などで、無理なくできることを目標に据えて、一つずつ実現していこう。
星 一郎(ほし いちろう)
心理セラピスト
星 一郎(ほし いちろう) 1941年東京生まれ。東京学芸大学卒。子育てボランティア団体「わいわいギルド」代表。IP心理教育研究所所長。アルフレッド・アドラー博士が提唱した「アドラー心理学」を取り入れた子育て支援やカウンセリングを行う。近著は『話を聞ける子が育つママのひと言』。

取材・文/北村昌陽 構成/平野亜矢(日経クロストレンド編集)写真/PIXTA

日経ヘルス2015年9月号掲載記事を再構成

この記事は雑誌記事掲載時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります