「私」が主語のいい方なら支配欲が表れにくい

 では、アドバイスするのはやめたほうがいい? いいえ、それはぜひ続けましょう。いい方法があります。それは、この連載で以前にもお伝えした「I(アイ)メッセージ」。「I」=「私」を主語にする方法です。

 相手にアドバイスをするとき、「You」(あなた)を主語にすると、「あなたはこうすべきだ」といった支配的な表現になりがちです。一方、I(私)を主語にすると、「こうするのがいいと私は思う」となり、支配的な感じが薄れるので、相手は聞く耳を持ちやすくなります。あなたにとっても、「あくまでも自分の意見を伝えているだけ」というスタンスになりますから、「相手が変わるべきだ」という支配欲の落とし穴にはまりにくくなるのです。

 無論、こんなふうにいっても、相手はあなたのアドバイスを聞かないかもしれません。それは仕方がないこと。聞くかどうかを決めるのは相手であり、あなたではありません。それを「仕方がない」と受け入れるのも、支配欲から逃れるために必要なことです。

Lesson2 伝えたいことを「I(アイ)メッセージ」で表現してみよう
「I」(私)を主語にして、「私はこう思う」「こうしてくれると私はうれしい」などと伝えると、支配欲の落とし穴にはまりにくい。相手もアドバイスを受け入れやすくなる。
星 一郎(ほし いちろう)
心理セラピスト
星 一郎(ほし いちろう) 1941年東京生まれ。東京学芸大学卒。子育てボランティア団体「わいわいギルド」代表。IP心理教育研究所所長。アルフレッド・アドラー博士が提唱した「アドラー心理学」を取り入れた子育て支援やカウンセリングを行う。近著は『話を聞ける子が育つママのひと言』。

取材・文/北村昌陽 構成/平野亜矢(日経クロストレンド編集) 写真/PIXTA

日経ヘルス2015年10月号掲載記事を再構成

この記事は雑誌記事掲載時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります