雑誌『日経ヘルス』から、アドラー心理学に基づいた「ココロの救い方」を発信するこの連載も9回目。ここであらためてココロに波風が立ちやすい今の時代を楽しく生きるアドラー流の考え方をおさらいしましょう。

「ハッピーなココロ」で過ごすには?
「ハッピーなココロ」で過ごすには?

 みなさん、ハッピーなココロで過ごしていますか? いきなりこんなことをいうと「何を能天気なこといってるの」という人もいそうですね。でも考えてみれば、「幸せ」は人間の普遍的な価値。もし「ハッピー」という言葉が軽薄で能天気にしか聞こえないとすれば、本来、そのほうが問題です。

 ただ、気持ちは分かります。いじめ、経済格差……。最近は、テレビも新聞もネットも、心が暗くなる話題ばかりです。職場などまわりの環境に、寒々しい空気を感じている人もいるでしょう。

 幸せが足りないと、ココロはなんとなく不機嫌になります。ワクワクやウキウキが感じられず、ムスッとした顔になる。街を見渡せば、そんな顔の人がたくさん目に止まります。もしかしたらあなたも、はた目にはそう見えているかもしれません。

 そんな「不機嫌な時代」の処方箋として、アドラー心理学は大きな力を持っています。去年あたりからアドラー心理学に関する本が続々と出版され、ブームになっているのも、今の時代に必要なココロの扱い方を示してくれるからでしょう。

 今回は、これまで紹介してきたアドラー心理学の考え方を振り返りながら、「不機嫌な時代」を「ハッピーなココロ」で過ごす方法を考えてみましょう。