“ネタ”への「いいね!」はあなたへの評価ではない

 ここでも役立つのは、アドラー心理学の「コト」と「ヒト」を分ける考え方。レッスン1では、自分の過去の投稿を見返してみましょう。「いいね!」がたくさんついたものと、あまりつかなかったものがありますね。

 「いいね!」がたくさんつけば誰でもうれしいものですが、そこには「みんなに自分が認められた」というような気分が含まれていませんか。逆に「いいね!」がつかなかった投稿では、自分が無視されたような気分になったかもしれません。

 そんな人は、あなたが人の投稿に「いいね!」をつけるときのことを思い出してみてください。どうでしょう? その人を「認める」などと意識しているでしょうか? たいていは、単にそのトピックが面白いから「いいね!」を押すのではありませんか。

 冷静に考えれば、「いいね!」とはその程度のものです。クリックした人は、“ネタ”、つまりあなたが投稿した「コト」の面白さに反応した(またはしなかった)のであって、あなたという「ヒト」を評価しているわけではない。これはLINEやメールに、すぐに返信が来るかどうかも同様です。反応が遅いのは、あなたへの否定を表明しているわけではありません。単に、忙しかっただけかもしれない。なのに私たちのココロは、「いいね!」の数や反応の速さに、自己肯定や自己否定といった過剰な意味を読み取ってしまいがちです。

 ちょっとしたことで自己を肯定されたり否定されたりした気分になることは、ネット以外の人間関係でもあります。スケジュール帳で休日の予定が埋まっていないと不安になったり、異業種交流会などで山ほど名刺交換したことに満足したりするのは、同様の心理といえます。

 ただ、ネット上、とりわけSNSはこういう心理を助長しやすいのです。なぜなら、人間関係を築くためのアクションが、とても手軽だから。あなたは料理の写真やドラマの感想をちょこっとアップするだけ。あとは、誰かが「いいね!」を押してくれるのを待つだけです。

 ですが、こういうお手軽な関係から得られる自己肯定感は、表面的なものです。あなたが本当につらくなったときに、自分を支える力にはなりません。そもそも、ちょっと「いいね!」がつかなかっただけで不安になってしまうのですから。

Lesson1 「いいね!」の数を自分への評価と混同してないかチェック
 「いいね!」の数が増減するのは、単に“ネタ”の面白さへの反応。でも、「いいね!」がつくと自分が評価され、つかなければ否定されたような気がしていないか振り返って。自分がほかの人の投稿に「いいね!」を押すとき、その人への“評価”と意識しているかも考えてみよう。