すべての人から好かれることはない

 私は時々、講演会などに呼ばれてお話しすることがあります。講演しながら聞いている人を見ていると、どんな場所でもだいたい共通の反応があります。

◆1割ほどの人は、何をいってもムスッとしている。
◆2割ほどの人は、何をいってもうれしそうにうなずく。
◆残りの7割は、雰囲気によって態度が変わる。

 私がどんなに頑張っていい話をしても、1割の人からは常に否定的にとらえられます。一方、無条件で好んでくれる人も2割ほどいるわけですね。あとの7割はどちらでもない人たちです。

 このルールは、一般的な人間関係にも当てはまります。どこに行っても、何をしても、自分とうまくいかない人が1割ぐらいはいるもの。気に病んでも仕方ないのです。できることといえば、好んでくれる2割の人に感謝するぐらい。他人のココロは簡単には変えられません。

 変えられるのは、自分のココロだけ。これがアドラー心理学の考え方です。

 そこで、まずレッスン1。「嫌われたくない」と思っている相手がいる場合、あなた自身はその人のことをどう思っているかを考えてみましょう。「嫌われたくない」という気持ちには、実はその人に対する不満や不信、いいたくてもいえない気持ちなどが隠れている場合があるのです。

「嫌われたくない」の裏に自分の苦手意識がある

 あなたが誰かのことを好きになるのは、その相手のいいところを認めているからです。「あの人にはこんな素敵なところがある」と実感しているわけです。相手からすれば、あなたが自分の価値を認めてくれているのですから、たいていの場合、相手もあなたと接するのを心地よく感じているでしょう。

 こういういい関係においては、「嫌われたくない」とあえて思うことは、まずありません。相手の価値を認め、相手も自分の価値を認めてくれるという信頼がベースにありますから。

 逆にいうと「嫌われたくない」と思う気持ちが出てくるのは、あなたのココロの中に、その相手に対する不満や苦手意識などが潜んでいる可能性が高いのです。そして、それを相手も敏感に感じて、ギクシャクしているのかもしれません。

Lesson1 「私のことを嫌ってる?」と感じる相手のことを、私はどう思ってる?
 「嫌われたくない」と思う相手がいる場合、自分の中にその人に対する苦手意識が潜んでいることがある。相手の気持ちは自分のココロの裏返しかもしれない。自分は相手をどう思っているのか、考えてみよう。