私は慢性膀胱炎? 膀胱炎の常識非常識

 意外に知らない膀胱炎の常識非常識。正しい知識を身につけよう。

Q・おしっこを我慢したら膀胱炎になる?

A ⇒ なりません

 おしっこを我慢するだけでは膀胱炎にはならない。「膀胱に細菌が侵入してしまった状態で長時間排尿せずにいると、細菌がどんどん増殖して、膀胱炎を発症してしまうことがある」(嘉村部長)。細菌を侵入させないことが大切だ。

Q・私は慢性膀胱炎?

A ⇒ 「慢性」はありません

 「慢性膀胱炎」とは結核性、薬剤性、放射線性などによるもので、細菌による「急性膀胱炎」を繰り返してなるわけではない。ずっと膀胱炎という人は、完治しないで細菌性膀胱炎を繰り返しているケースが多い。「抗菌薬で治療しても頻尿や尿がたまってきたときに下腹部の痛みが起きる場合は、間質性膀胱炎の可能性がある」(巴教授)。

Q・温水洗浄便座を使っていれば大丈夫?

A ⇒ 実は意外に汚れてます

 「洗浄ノズルは掃除の際も見落とされがちで意外に汚れていることが。逆に、汚染された温水で細菌感染を招くこともあるので、ノズルは清潔に」(巴教授)。

クランベリージュースに効果はあるの?
クランベリーが膀胱炎に効果があるとされているが、2012年に計4473人を対象にした24件のクランベリーに関する論文を精査した研究で、再発性尿路感染症を繰り返す女性が毎日1年以上飲み続けた場合には効果があったとの結論に。それ以外の場合は、効果があったとしてもわずかだったという。(Cochrane Database Syst Rev.;電子版 Oct.17,2012)

下編は、2タイプある膀胱炎の詳細と治療について、近日公開する予定です。

巴ひかる
東京女子医科大学東医療センター 骨盤底機能再建診療部 教授・診療部長 泌尿器科 教授
巴ひかる 頻尿、尿失禁、骨盤臓器脱など婦人泌尿器科を専門に臨床、研究を行う。「デリケートゾーンの洗い過ぎも防御機能が壊され、膀胱炎の原因になるので気をつけて」。
嘉村康邦
四谷メディカルキューブ 泌尿器科部長
嘉村康邦 間質性膀胱炎や骨盤臓器脱など女性泌尿器科の治療に力を入れる。「膀胱の病気は女性のQOL(生活の質)の低下が問題。一人で悩まず、病院で治療を受けて」。

取材・文/海老根祐子 構成/羽田 光(日経DUAL編集部) イラスト/三弓素青、PIXTA

日経ヘルス2015年4月号掲載記事を再構成

この記事は雑誌記事掲載時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります