細菌性膀胱炎は尿路感染症の一つ

 細菌性膀胱炎は、膀胱が細菌に感染して引き起こされる。「大腸菌が原因になることが多い。尿道口から尿道を経て細菌が膀胱に侵入。尿中で大量に増殖すると膀胱の粘膜に炎症が起き、発症する。女性は、尿道口が肛門近くにあるため大腸菌などに触れやすく、また尿道が男性に比べて短いという体の構造上、膀胱炎になりやすい」と東京女子医科大学東医療センター泌尿器科の巴ひかる教授は話す。

 そもそも尿は腎臓で作られ、尿管を経て、膀胱で一定量たまると尿道を通って尿道口から排出される。この尿の通り道を尿路といい、細菌性膀胱炎は尿路感染症の一つ。ちなみに腎盂腎炎(じんうじんえん)も尿路感染症の一つだ。「細菌性膀胱炎が悪化し、細菌が腎盂にまで達して腎盂腎炎になる人もいる。この場合38℃以上の高熱や腰痛を伴うことが多い」と四谷メディカルキューブ泌尿器科の嘉村康邦部長。

膀胱炎と尿路感染症、腎盂腎炎は何が違う?

・膀胱内で細菌が炎症を起こす「細菌性膀胱炎」
膀胱は、腎臓で作られた尿を、尿管を通してためておく袋状の器官。尿道口から侵入した細菌が、たまった尿中で増殖して、細菌性膀胱炎になる。

・尿路で起きる細菌感染症の総称が「尿路感染症」
「尿路感染症」というのは腎臓、尿管、膀胱、尿道という尿の通り道である「尿路」で起きる細菌感染症の総称。膀胱炎、腎盂腎炎はその中の一つだ。

・38℃以上の高熱が特徴「腎盂腎炎」
膀胱からさらに腎臓の腎盂まで細菌が到達すると腎盂腎炎を発症。38℃以上の高熱を伴う。膀胱炎を放置しておくと、まれに発症する。