「怒り」は自分を守るためのツールであり、心のコップが苦しい、つらい、不安などのマイナス感情でいっぱいになると、怒りという感情となってあふれ出すことを前回お伝えしました。今回は、その怒りを上手にコントロールする方法をご紹介します。

怒りすぎ、イライラが止まらない…「怒りの衝動」の正体
・怒りのセルフケア マイナス感情は6秒間セラピーで解消 ←今回はココ

怒りの種類を分析し、表現するかやり過ごすかを判断

 怒りのコントロールとは、怒らないように我慢したり、無理に抑え込むことではない。人を傷つけたり、後悔するような無駄な怒りを減らし、上手に怒りを相手に伝えられることを目指したい。

 まず、怒ることと、怒らなくていいことの見極めをつけるための考え方を取り入れよう。「怒るかどうかの判断には、『状況の可変性』と『重要度』という2つの軸を使うといい。『怒り=困りごと』と捉え、自分は何に困っているのかを客観的に捉えられると、重要度は判断しやすい」と精神科医で神田東クリニック院長の高野知樹さんはアドバイスをする。

 例は、下記のチャートの通りだ。

■怒りの4分類と対処法

高野院長の話を基にチャートを構成
高野院長の話を基にチャートを構成

 状況が変えられず、なおかつ重要度が低いと判断できたら、怒ることはエネルギーの無駄遣いなのでやり過ごす。重要度が高く、状況を変えられるのであれば、これから何ができるのかをじっくり考えよう。「その上で、怒りを伝える必要があると判断したときは、相手を責めるのではなく、怒っているという思いを伝えるようにしたい」と高野院長は話す。