あえての「丁寧な言葉遣い」が怒りすぎ防止に

 「怒らない体質」になるために、自分の「べき」を見直してみる。待ち合わせ時間は守るべきというのが自分の価値観だとしても、5分までなら遅れてもOKなど許せる範囲を広げていく。「その日の体調や気分によって、許せる範囲を変えてはダメ。キャパシティーを保つ努力を」と日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介さん。

 相手を傷つけるような怒り方をしがちの場合、声を荒らげるのではなく、あえて丁寧な言葉遣いで話そう。「自分の気持ちを客観的に説明することで、怒りすぎを防げる。読書や映画・美術鑑賞などで文化に触れて、ボキャブラリーを増やし、表現力を磨こう。『うざい・やばい・キレる』の3つで怒りを表現する子どもにも有効」と安藤さん。

 怒りに持続性があり、思い出し怒りや仕返しを考えてしまう人は、“今”に集中できるマインドフルネス(瞑想)が効果的。怒りの頻度が高い人は、質のよい睡眠で心のコンディションを整えるようにしたい。

怒りをぶつけられる側の対処法
 怒りすぎる上司やパートナーから怒りをぶつけられている場合、どう対処したらいいのか。高野院長は「相手の困りごとや何を望んでいるかに着目するといい」とアドバイスする。「怒りの背景には不安感が隠れているときもある。相手の気持ちを探ることで解決の糸口が見つかりやすくなる」(高野院長)。相手の気持ちを冷静に探ってみることで「自分が責められているわけではないとわかれば、イライラや落ち込みも軽減できる」と高野院長。

 相手からの怒りを自分の中にためこまず、相手の思いをくみ取りながら、自分の意見を伝えるなどお互いの理解を深めるような関わり方も大切だ。