「体が疲れている」と感じていても、その疲れの正体は、実は「脳の疲れ」だといいます。仕事や運動などで疲労を感じるのは、自律神経の中枢と呼ばれる部分で、生体アラームとして疲労が体に現れるから。どのようにケアすれば効率よく脳の疲れが取れるのか、今回は、脳疲労の基礎知識をお伝えします。

・だるいと感じるのは「脳疲れ」 ミトコンドリアがさびる ←今回はココ
・「脳疲れ」をしっかり回復させるには セルフケアと受診

「これ以上は体に害が及ぶよ」という脳の警報

あなたのその疲れは「脳疲労」が原因かも…!?
あなたのその疲れは「脳疲労」が原因かも…!?

 デスクワークをすると目が疲れたり、肩が凝る。ジョギングやサイクリングをすれば足や腰の筋肉が痛くなる。実はどちらも「脳が、『これ以上仕事や運動などの作業を続けると体に害が及ぶ』という警報(生体アラーム)として疲労を感じている」と東京疲労・睡眠クリニックの梶本修身院長は解説する。

■脳が組織からの生体アラームを受け取ると、疲労として認識する
■脳が組織からの生体アラームを受け取ると、疲労として認識する

 仕事や運動をすると、筋肉や自律神経の中枢にある細胞のミトコンドリアが多くの酸素を取り込み、同時に活性酸素を発生させる。すると思考力の低下や注意力の衰え、頭痛、肩こり、目がかすむなどの症状が現れる。これらは、「これ以上仕事や運動をすると体に害になる」と、脳が生体アラームを発して休息させようとしているのだ。

 「疲労とは、医学的には『痛み』や『発熱』と並ぶ生体アラームの一つ。だから運動後の疲労も、そのほとんどは脳の疲れから来ている」(梶本院長)。運動後の筋肉疲労が「脳の疲れ」からというのはにわかには信じがたいがどういうことだろうか。

 梶本院長がリーダーを務めた産官学連携のプロジェクトで、96人の健康な人を対象に、運動やデスクワーク時にどのくらいの疲労が生じているかを計測する負荷試験を行った。すると自転車こぎやジョギングなどの有酸素運動を4時間行った程度では、筋肉はほとんどダメージを受けないことが分かった(ウサギ跳びやスクワットのような筋肉を激しく傷める運動は除く)。