更年期前から知っておきたい女性特有の骨の弱体化対策。骨粗しょう症の予防には、若い頃からの「骨貯金」が最も重要です。あなたの骨の貯金残高は大丈夫ですか? 今回は、骨の基礎知識と骨量のセルフチェックをお伝えいたします。

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骨の量と質をキープしよう 脱・骨粗しょう症予備軍

骨量は40代半ばごろから減少に転じる

 骨が弱くなって、ちょっとしたことで骨折する「骨粗しょう症」。高齢者の病気と思われがちだが、若い世代も人ごとではない。「骨粗しょう症自体は50代以降から増えるが、その予備群の骨量減少症は30代女性で約30人に1人、40代では10人に1人という報告も。本来はまだ骨が丈夫なはずの年代なのに、『骨貯金』の残高不足が目立つ」。山王メディカルセンター女性医療センターの太田博明医師はこう指摘する。

 骨量は20~30代が最も多いが、40代半ばごろから減少に転じる。「特に閉経後は10年間で15~20%も減る」(太田医師)。

■年齢と骨量の経年変化
■年齢と骨量の経年変化
20歳前後で骨量はピークに達し、40代前半くらいまでその状態が続くが、閉経後は急激に減っていく。この減少自体は避けられないが、ピーク時の「骨貯金」が多ければ多いほど閉経後も骨は弱体化しにくい。逆に貯金が少ないと、早い時期に骨粗しょう症になってしまう

 これは骨を守る女性ホルモンのエストロゲンが減るから。そもそも骨の状態は、骨を作る「骨芽細胞」と骨を壊す「破骨細胞」のバランスで決まる(下図)。閉経後は破骨細胞の働きを抑えるエストロゲンが激減するため、骨の形成が追いつかず、骨量が低下するのだ。

■骨の新陳代謝のバランス
■骨の新陳代謝のバランス
破骨細胞が古くなった骨を壊し(吸収)、骨芽細胞が新しい骨を作る(形成)。骨はこうして新陳代謝を繰り返している。ところが、閉経でエストロゲンが減ると破骨細胞が勢いを増し、骨形成が間に合わない。結果、骨が弱くなることに