冬にできやすい「ささくれ」

 手荒れ同様、気温の低下や空気の乾燥が原因で、爪の周囲のトラブルも生じやすくなる。

 「爪の周囲の皮膚は、爪の下に潜り込むような構造になっており、乾燥すると皮膚が浮き上がってきて、ほんのちょっとの刺激でもめくれ、ささくれができやすい」と中村院長。

 甘皮が白っぽくなって、亀裂が入るのは、「手洗いや水仕事で使った石けん、洗剤の成分が残り、刺激になっている可能性もある。手の甲側もよく洗い流して」と服部院長。

 ささくれ、甘皮のケアには、「亜鉛華軟膏(あえんかなんこう)を繰り返し塗る。皮膚の炎症を抑える外用剤で、適度な粘着性で落ちにくいため、皮膚を保護する効果もある。手を清潔にした後、湿潤療法で使われるハイドロコロイド素材の絆創膏を貼ってもいい」と中村院長。

 最近は、ネイルのために甘皮を削る人も多いが、「甘皮は爪と皮膚の間のバリア。削ってしまうと、バクテリアなどが入り込み感染症を起こすこともある」と中村院長は注意を促す。

手荒れを招く生活習慣をチェックしよう!
□ 水仕事を素手で行う
□ 外出時に手袋をしない
□ 消毒剤をよく使う
□ 熱いお風呂に入るのが好き
□ 自分で髪を染めている
□ パソコン作業が多い
□ ガムテープや紙に触る時間が長い

リストの上の4項目は冬の手荒れを招く習慣、下の3項目は年間を通じての原因になる。ガムテープなどで肌のバリアがはがれやすくなる。一つでも思い当たれば、手荒れに注意。