「もしかして自分は病的な過食かも? 摂食障害かも?」と思ったときはどのようにすべきかお伝えします。コツは、「3つの自信」とストレスの関係を知り、気持ちをスイッチすること。コントロールできなければ専門家に相談しましょう。

・私は幸せな大食い? 病による過食? 境界線の調べ方
・「食べてもおいしく感じない」摂食障害の正しい解決法 ←今回はココ

食べること以外に目を向ける、コーピングにトライ

 味わうことなくたくさん食べてしまう、といったことが習慣化してくると、「食べることなしにはストレスが消えない」というループにはまり込む「摂食障害」の危険性がある。

 過食の習慣化には、「私たちを支えている『3つの自信』の低下が関わる」と下園さん。3つの自信とは、第一が「自分はできる、という自信」、第二が「自分の感情や行動をコントロールできる自信」、第三が「愛される、居場所がある自信」のこと。食べ過ぎを我慢できないときには第二の自信が揺らいでいる。

 「このとき、苦肉の策として食べ過ぎた後に吐く、という手段をとると、自分をコントロールできている、という第二の自信が一見維持できるように見えるが、結局は過食が習慣化し、自信が低下していく」(メンタルレスキュー協会理事長の下園壮太さん)。

私たちを支えている「3つの自信」

1. 能力への自信
自分は「できる」という自信。仕事、才能などに関するもの。

2. コントロールの自信
感情や行動、体調などをコントロールすることができる自信。

3. 愛される自信
誰かから必要とされる、集団の中で居場所があるという自信。

 食べ過ぎが習慣化してきたかも……と感じたときは、「食べてストレスを晴らす」以外の対策にも目を向ける「コーピング」という手法が効果的だ

 ネイルや顔のパックをすると、疲れを癒やし、自分へのご褒美を与えることができるうえ、「食べる」行為からも遠ざかることができる。猫とじゃれあうと、「自分が必要とされている、という第三の自信を補うことができる」。範囲を区切れば、部屋の片付けも心すっきり効果が得られる。

 自らのストレスについ蓋をしがちな頑張り屋さんは、「気分リセット呼吸法」もお薦めだ。「頑張っている自分、我慢している自分を認めることで、ストレス感情が落ち着く」(下園さん)。