毎日の生活で注意したい「あごの突き出し」

 普段から「首にやさしい生活」を心がけることも重要だ。パソコンやスマホ、テレビ、運転……と、あごを突き出しやすい動作は日常的にあり、思い当たる人も多いのでは。「特にスマホは体の前で、両手で操作するため、前かがみになりあごも突き出しやすい」(遠藤講師)。

 首に負担をかける「あごの突き出し」は、日ごろついやってしまう姿勢の一つ。意識して直そう。

■重いリュックはNG
リュックは背負ったときの左右のバランスは良いが重いと首が前に出やすい。カバンはショルダーより手提げの方が首に影響しにくい。

■PCは画面との距離を取る
あごを引いた姿勢を保てるよう、モニターの高さや目との距離、画面の大きさなどを見直す。必要に応じ眼鏡などによる視力の調整も。

■見逃しがちな運転時の前のめり
前を注視するあまり前のめりになると首に負担が。「頭をヘッドレストにつけたまま運転できる座席の位置を心がけて」(銅冶院長)。

 集中すればするほど、よく見ようとして体が前のめりになる。視力が良くなかったり眼鏡やコンタクトレンズが合っていなかったりするとなおさらだ。思い当たる人は「眼鏡を作り替えるなどの、視力の調整をすることも一計」(銅冶院長)。

 見る対象との位置も見直したい。パソコンのモニターの文字を大きくしたり、机上での読書なら本の下にクッションを置くなど、「あごを引いた状態が維持できる環境にすることが大事」(銅冶院長)。

 常時、良い姿勢でいるのは難しくても、作業の合間に意識して姿勢を正し、体操をするだけでも違ってくるはずだ。

■自分に合った高さ&寝返り時も首を支える「手作り枕」

 寝起きに首の痛みが増す人は枕が合っていないのかも。銅冶院長は自分に合った枕を作ることを薦めている。使うのはバスタオルと浴用タオル数枚。生地により枚数調整を。最後にバスタオルで全体をカバーすると安定する。

1. センターのタオル厚みは自分の頸椎から後頭部に合わせ3〜10cmほどに整える。
2. 左右をイラストのように、畳んだタオルで10〜15cmの厚みに調整すると、寝返りの際に支えとなり、首が前傾するのを防ぐ。
3. バスタオルはあおむけの首を支えるために、直径5〜8cmに丸める。