慢性化するとうつ症状も

 首の凝りや痛みの怖い点は「慢性化すると自律神経のバランスが崩れ、頭痛、めまい、冷えなどのいわゆる不定愁訴を誘発し、うつ症状にまで至ることも」と遠藤講師は警告する。「体よりも心の問題の方が治るのに時間がかかる。体の問題にとどまっているうちに対策を打つことが重要」(遠藤講師)。

 今は凝りも痛みもなくても、首を動かしにくい、動かしたとき音が鳴るなどの違和感があれば予備軍。油断禁物だ。

■首のトラブルをセルフチェックしてみよう。
□じっとしていても首まわりに凝りや痛みがある
□慢性的な頭痛があり、鎮痛薬が手放せない
□肩がいつもぱんぱんに張っている
□後ろを振り向いたり首を回したりしにくい
□首を動かすとゴリゴリ、コキッといった音がする
□腕が肩より上に上げにくい
□手指や腕がしびれたり、力が入らなかったりすることがある

どれか1つでも思い当たったら、要注意。今すぐ対策を。

 次回は、首のストレッチを紹介します。

 こちらへどうぞ ⇒ たたく・もむはNG 首の痛みはストレッチで解消しよう

銅冶英雄
お茶の水整形外科 機能リハビリテーションクリニック (東京都・千代田区)院長
銅冶英雄 日本整形外科学会専門医、認定脊椎脊髄病医。日本医科大学卒業後、千葉大学附属病院・国立がんセンター中央病院等での研修、米国留学等を経て2010年より現職。著書に『頸椎症を自分で治す!』(主婦の友社)。
遠藤健司
東京医科大学 整形外科(東京都・新宿区)講師
遠藤健司 日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科指導医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医。東京医科大学整形外科大学院修了後、米国留学、東京医科大学整形外科医局長等を経て2007年より現職。『本当は怖い肩こり』(祥伝社新書)などの著書、メディア出演多数。

取材・文/渡邉真由美 イラスト/三弓素青 構成/太田留奈(日経BP経済メディア編成部)