女性ホルモンの2大不調である「PMS(月経前症候群)」と「更年期症状」。この2つには女性ホルモンの波があることを前回ご紹介しました。今回は、「PMS」の症状とセルフケア法についてお伝えします。

前回の記事・2大ホルモン不調 PMSと更年期症状は何がつらい?

月経1週間前から始まる! イライラに悩む人が圧倒的

 月経前からイライラや情緒不安、眠気、過食、頭痛、むくみ、乳房の張り、便秘などが出現。でも、いざ月経が始まると不調はスーッと消える……。これがPMAの典型的な症状。編集部の調査では、イライラや怒りっぽさが最も多く、不眠や情緒不安が続く。精神的な症状に悩む人が特に多い(下データ)。

精神症状に悩む人が多い
精神症状に悩む人が多い
女性292人を対象にした編集部調査(2016年1月実施)。PMSの症状を複数回答で聞いた結果、最も多かったのがイライラ・怒りだった。また精神症状の悩みが特に強い人という人が46.9%、身体症状は31.8%、どちらも同じ程度が20.7%だった。

 「精神症状が強く、社会生活にも支障が出る場合は『月経前不快気分障害(PMDD)』と呼ばれ、PMSの重症型と位置づけられる」と近畿大学東洋医学研究所の武田卓教授。感情が高ぶってけんかをする、人前で泣いてしまう、過食に走って冷蔵庫の食べ物を全部平らげるといったことも。フルタイムの仕事に就くのが難しい人もいる。

 出現パターンは、月経の1週間くらい前から症状が現れ、次第に強くなって月経開始と同時に症状が消える例が最も多い。重症の場合は、いきなり強い症状が出て、それが月経開始まで持続する。中には排卵のころにも不調が出る人も(下データ)。

プロゲステロンが症状を招く。月経が始まると一気に解消
プロゲステロンが症状を招く。月経が始まると一気に解消
排卵後、卵巣からはプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増える。これが体内に水分をため込んで、むくみや乳房の張りなどを引き起こすと考えられる。月経が始まるとプロゲステロンの量がガクンと減るので、症状が一気に消失する。
PMSの出現パターン、あなたはどれ?
PMSの出現パターン、あなたはどれ?
月経の1週間ほど前(排卵の約1週間後)からPMSの症状が出始め、だんだん強くなるパターンが最も多い(上)。いきなり強い症状が出て、それが月経まで続く重症型も(下)。排卵のころにも一時的に症状が出る人もいる。

 詳しいメカニズムは分かっていないが、このような症状に関わっているのが女性ホルモンのプロゲステロンだ。「妊娠のためのホルモンで、排卵すると分泌量が増える。水分をためる働きがあるため、むくみや便秘、乳房の張りなどの症状が出やすくなる」と東京歯科大学市川総合病院産婦人科の小川真里子准教授。

 PMSは更年期症状に比べて認知度はあまり高くないが、悩んでいる人は決して少なくない。武田教授の試算では、症状が重いにもかかわらず治療を受けていない人が約180万人いるという。「高校生のころから始まることが多く、30年ほどのつきあいになる。更年期のつらさはせいぜい10年程度なので、実はPMSの方が悩む期間はずっと長い。症状が強い人は我慢せず、セルフケアや治療などの対策を講じて」と武田教授はアドバイスする。