パターンを知り症状を軽く! 大豆、魚、ハーブも効果が

 PMS対策として武田教授が一番に薦めるのが、「症状日記」(下記参照)。

まずは自分のPMSを知ることから。どんな症状がいつ出た? 月経はいつ始まった?症状はどのくらいひどい?など、程度を表すマーク(△○◎など)を決めて最低2カ月間記録してみて。上の紙をコピーして手帳に貼ってもOK。マイパターンを把握しよう。
まずは自分のPMSを知ることから。どんな症状がいつ出た? 月経はいつ始まった?症状はどのくらいひどい?など、程度を表すマーク(△○◎など)を決めて最低2カ月間記録してみて。上の紙をコピーして手帳に貼ってもOK。マイパターンを把握しよう。

 「どんな症状がどのくらいつらいか、2カ月ほどチェックすると自分のPMSパターンがつかめる」(武田教授)。月経の何日前から症状がつらくなると分かれば、そこに重要な予定を入れないなどの対策も可能。知っておくだけで症状が軽くなることもある。武田教授は東北大学勤務時代、高校生にPMSの講義をした。その後、東日本大震災が起こり、講義をしなかった高校では震災ストレスからPMSの悪化が認められたが、講義を受けていた高校生たちは悪化しなかったという。

 食事も大切だ。この時期は甘いものを食べたくなるが、とりすぎは禁物。「血糖値が急激に変動すると症状が悪化しやすい。間食は控えめにして食事をきちんととることが重要」と小川准教授。

 大豆製品も積極的にとりたい。大豆イソフラボンの摂取で、頭痛や乳房の張りなどのPMS症状が改善したとの報告も(下データ)。

大豆イソフラボンはPMSの身体症状を改善する
大豆イソフラボンはPMSの身体症状を改善する
PMSがある女性23人(18〜35歳)が、1日68mgの大豆イソフラボンを7月経周期、摂取。その結果、偽サプリを摂取した人に比べ、頭痛や乳房の張りなどの身体症状が明らかに改善した。(データ:Br J Nutr ;93, 731-739,2005)

 「大豆イソフラボンには女性ホルモンの調節作用があり、ホルモンの変動を和らげる働きが期待できる」と武田教授。

 魚もいい。アスリートを対象にした武田教授の調査では、魚を多く食べる人ほどPMSの自覚症状が少なかったそうだ。

 またチェストベリーという西洋ハーブを含む市販薬も登場。PMSの改善効果が認められている(下データ)。

チェストベリーエキスでPMS症状が改善
チェストベリーエキスでPMS症状が改善
67人が月経3周期、チェストベリーエキスを含む薬(プレフェミン)を服用。周期を重ねるごとに、イライラ、抑うつ気分、怒り、乳房の張り、頭痛などのPMS症状が軽減した。(データ:Adv Ther.;31,3,362-373,2014)
プレフェミン
プレフェミン
日本で唯一のPMSの市販薬。有効成分はチェストべリー乾燥エキス。要指導医薬品。1回1錠、1日1回。30錠、1800円(税別)。問/ゼリア新薬工業
PMSをラクに乗り越える心得
1. 自分のパターンを知っておく
2. その期間は重要な予定を入れない
3. 大豆、魚などを積極的に
4. 甘いもの(間食)を食べすぎず、食事をきちんと食べる
5. この時期は無理をしない

PMSがひどくなる時期が分かっていると、対策が立てやすい。重要な予定は月経前でなく、後に入れるようにする。そろそろ来るな、と心の準備をしておく。つらいときは無理をしない。また日ごろから食事に気をつけよう。

 次回は、PMSや更年期症状の治療法についてご紹介します。
 こちらへどうぞ ⇒ PMSと更年期障害の治療 つらい精神症状を和らげよう

武田 卓
近畿大学東洋医学研究所 所長・教授
武田 卓 産婦人科医。東北大学産婦人科客員教授も務める。「PMSに悩む女性は多いが、治療を含め、十分な対策がとられていない。まずはPMSについて知ること。職場や社会での認知度を上げていくことも大事です」。
小川真里子
東京歯科大学 市川総合病院産婦人科 准教授
小川真里子 産婦人科医。専門は女性医学。「月経前には誰でも何らかの症状が出やすく、PMSは身近な不調。例えば米国では女性が『今、PMSなの』と言えば、ボーイフレンドにも通じるくらい一般に認知されています」。

取材・文/佐田節子 構成/黒住紗織(日経BP総研) イメージ写真/PIXTA

日経ヘルス2016年4月号掲載記事を再構成

この記事は雑誌記事掲載時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります