パターンを知り症状を軽く! 大豆、魚、ハーブも効果が
PMS対策として武田教授が一番に薦めるのが、「症状日記」(下記参照)。
「どんな症状がどのくらいつらいか、2カ月ほどチェックすると自分のPMSパターンがつかめる」(武田教授)。月経の何日前から症状がつらくなると分かれば、そこに重要な予定を入れないなどの対策も可能。知っておくだけで症状が軽くなることもある。武田教授は東北大学勤務時代、高校生にPMSの講義をした。その後、東日本大震災が起こり、講義をしなかった高校では震災ストレスからPMSの悪化が認められたが、講義を受けていた高校生たちは悪化しなかったという。
食事も大切だ。この時期は甘いものを食べたくなるが、とりすぎは禁物。「血糖値が急激に変動すると症状が悪化しやすい。間食は控えめにして食事をきちんととることが重要」と小川准教授。
大豆製品も積極的にとりたい。大豆イソフラボンの摂取で、頭痛や乳房の張りなどのPMS症状が改善したとの報告も(下データ)。
「大豆イソフラボンには女性ホルモンの調節作用があり、ホルモンの変動を和らげる働きが期待できる」と武田教授。
魚もいい。アスリートを対象にした武田教授の調査では、魚を多く食べる人ほどPMSの自覚症状が少なかったそうだ。
またチェストベリーという西洋ハーブを含む市販薬も登場。PMSの改善効果が認められている(下データ)。
2. その期間は重要な予定を入れない
3. 大豆、魚などを積極的に
4. 甘いもの(間食)を食べすぎず、食事をきちんと食べる
5. この時期は無理をしない
PMSがひどくなる時期が分かっていると、対策が立てやすい。重要な予定は月経前でなく、後に入れるようにする。そろそろ来るな、と心の準備をしておく。つらいときは無理をしない。また日ごろから食事に気をつけよう。
次回は、PMSや更年期症状の治療法についてご紹介します。
こちらへどうぞ ⇒ PMSと更年期障害の治療 つらい精神症状を和らげよう
近畿大学東洋医学研究所 所長・教授
東京歯科大学 市川総合病院産婦人科 准教授
取材・文/佐田節子 構成/黒住紗織(日経BP総研) イメージ写真/PIXTA