【生活リズム】睡眠を十分にとり、体内時計を乱さない
「うつ病の人は生活が不規則なことが多い。とにかく睡眠や起床などの生活リズムを乱さないことが大切」と川村院長。
まずは睡眠。不安や落ち込みが強いと夜なかなか眠れないが、睡眠不足はうつの大敵。できれば6、7時間は確保を。日中に運動したり、日光をたっぷり浴びたりしておくと夜眠りやすい。もちろん、夜更かしはNGだ。「どうしても眠れない場合は、睡眠導入剤や抗不安薬を処方することも」と功刀教授。
朝は決まった時間に起きたい。「カーテンを10 cmほど開けて寝るといい。目覚める前から体が日光を感知して起きる準備をしてくれるので、比較的ラクに起きられる」(功刀教授)。
朝食は抜かない。朝の光と朝食には体内時計を調整する働きがあり、これが狂うと時差ボケのような状態になる。通勤時は日光を浴びながら歩こう。日に当たると体内でビタミンDがつくられる。「Dが増えると気分がよくなるとの報告も。毎日15分程度は日光を浴びたい」と功刀教授。
また、がんばり屋さんはうつ病になりやすいので要注意。「『今日はがんばるぞ!』ではなく、毎日同じリズムで適度にがんばるようにする。残業もほどほどに」と功刀教授は助言する。
冬にうつっぽくなる「冬季うつ」には日光を!
気分が滅入る、眠い、朝起きるのがつらい、甘いものが無性に食べたい……。冬場だけ、そんな症状が表れるのが「冬季うつ」。「日照時間が短くなることが原因。日中にできるだけ日光を浴びるようにするといい」と川村院長。寒いと屋内にこもりがちだが、積極的に外へ出て日光浴を。それだけで気分がよくなる。日が長くなると、うつ状態も自然と改善傾向に。
2. 葉酸・亜鉛・鉄などのうつにいい栄養素をとる
3. 朝食を欠かさない
4. 肥満やメタボに用心
5. 腸内環境を良くする
6. 運動を毎日続ける
7. 睡眠は6、7時間確保
8. 寝る時間、起きる時間をずらさない
9. 日光をたっぷり浴びる
10. がんばりすぎない、無理しすぎない
帝京大学医学部精神神経科学講座 教授
川村総合診療院(東京都港区) 院長
取材・文/佐田節子 構成/黒住紗織 写真/PIXTA