【運動】うつを治す薬と同等の効果あり!

 運動はうつに効く。「運動量が少ない人はうつ病になるリスクが高く、運動をするとうつ病が改善するという報告も多い。動物の研究では、脳の神経栄養因子が増えることも確認している」と功刀教授。実際、運動療法の効果は抗うつ薬とほぼ同等という研究結果も(グラフ)。

運動には薬並みの治療効果が
運動には薬並みの治療効果が
うつ病患者202人を「トレーナーのもとで運動」「自宅で運動」「抗うつ薬服用」「偽薬服用」の4群に分けた。16週間後、症状がなくなった人の割合(寛解率)は薬で47%。運動群もほぼ同等の結果だった。(データ:Psychosom Med.;69,587-596, 2007)

 お薦めは手軽にできるウオーキングだ。川村総合診療院の川村則行院長は以前、うつ病患者100人以上に日常的にどのくらい歩くか聞いたことがある。それによると1日平均7000歩以上歩いていた患者では、回復が順調で減薬もスムーズだったという。「歩くと脳の血流がよくなり、セロトニンも増える。また、うつで家にこもりがちだった人には体力の回復にも役立つ」(川村院長)。

 運動は肥満予防にもなる。実は肥満とうつには深い関係があるという。「肥満やメタボになると脂肪細胞から炎症を引き起こす物質が分泌される。この炎症がうつ病の一因であることが最近分かってきた」(功刀教授)。糖尿病や歯周病も炎症を進めるので要注意だ。体を動かそう!