緊張で眠りにつけないときは「筋弛緩法」でリラックス
夜の眠りに影響する昼寝は極力我慢する。決めた時間まで寝床に行かず、床に入って10分以上寝つけなかったら、いったん寝床を出てほかのことをする。緊張が高まったときは筋弛緩法(下カコミ)を適宜行い、リラックスを。
緊張した筋肉をゆるめる簡単リラクゼーション(筋弛緩法)
5秒間力を入れて筋肉を緊張させたあとスッと力を抜き、緊張と弛緩の差を意識する。凝りやすい首、肩、背中を行うのがお薦め。
【首】
力を入れながらゆっくり片側に5秒間傾け、元に戻して20秒間力を抜く。反対側も同じ要領で。
【肩】
両肩に力を入れて5秒間持ち上げる。スッと力を抜いて肩を落とし、そのまま20秒間脱力する。
【背中】
肩の高さでこぶしを作り、ひじを後ろに引きながら左右の肩甲骨を5秒間寄せた後、腕をだらんと下げる。
【首】
力を入れながらゆっくり片側に5秒間傾け、元に戻して20秒間力を抜く。反対側も同じ要領で。
【肩】
両肩に力を入れて5秒間持ち上げる。スッと力を抜いて肩を落とし、そのまま20秒間脱力する。
【背中】
肩の高さでこぶしを作り、ひじを後ろに引きながら左右の肩甲骨を5秒間寄せた後、腕をだらんと下げる。
「寝床で起きている時間を減らせば減らすほど、床についてすぐスッと眠れるようになる。それを実際に体験すれば、睡眠の満足度が上がる」と栗山部長。その結果、快眠がずっと続くようになるという。
時間制限法だけでうまくいかない場合は、睡眠薬も選択肢。「睡眠薬は眠れる自信がなくなった人が自信をつけるために一時的に使用するもの」(栗山部長)。今夜はこれで眠れると安心できるので「眠れないのでは」という不安を抱えずに済む。
かつては長期使用による依存症の発生が問題視されたが、今ではそのリスクが少ないメラトニン受容体作動薬や、オレキシン受容体拮抗薬などが加わり、選択肢が広がっている。
薬をやめるときは急にゼロにするのではなく、1日おきに服用するなどしながら時間をかけて徐々に減らす方法がとられる。処方してくれるだけでなく、やめ方もきちんと指導してくれる精神科などで治療を受けよう。
田中耕一郎
東邦大学医療センター 大森病院東洋医学科 准教授
東邦大学医療センター 大森病院東洋医学科 准教授

三島和夫
秋田大学大学院 医学系研究科精神科学講座 教授
秋田大学大学院 医学系研究科精神科学講座 教授

栗山健一
国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 睡眠・覚醒障害研究部 部長
国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 睡眠・覚醒障害研究部 部長

取材・文/小林真美子 写真/PIXTA
日経ヘルス2016年3月号掲載記事を再構成
この記事は雑誌記事掲載時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります