抗酸化成分の豊富な野菜やコーヒーなどを取り入れよう

 食事では、「脂肪や糖分を抑え、大豆製品や青魚、赤身肉など良質なたんぱく質が豊富な食事をすることがお薦め」(三越診療所・船津和夫医師)。

 また、脂肪肝の原因の一つと考えられているのが酸化ストレス。そのため、抗酸化作用のあるビタミンやポリフェノール類を含む野菜や果物をとるのがお薦め。なかでも手軽なのが飲料で、近年、コーヒーの作用が注目されている。船津医師は健診データをもとに、よくコーヒーを飲む群は脂肪肝の発症率が低いことなどを明らかにした(下グラフ)。

1日2杯以上のコーヒーで脂肪肝が減る
1日2杯以上のコーヒーで脂肪肝が減る
健診受診者の中から1999年には脂肪肝がなかったのに2004年に発症した群(164人)を選び、飲酒量、肥満度などが似ている対照群(328人)と比較した。脂肪肝発生群は無発生群と比較して1日に飲むコーヒーの量が少なかった。(データ:船津医師)

脂肪肝を防ぐ食事のポイント

 脂肪を取り過ぎない食事を。最近では総摂取カロリーを減らすことで肝機能改善に有効との報告も。また、炎症の引き金になるという酸化ストレス対策に、抗酸化成分を含む野菜、果物、飲料のコーヒーなどの積極的な摂取をしよう。

1. 赤身肉や魚など良質なたんぱく質をとる
2. 糖質、脂質の過剰摂取を避ける。
3. アルコールは禁酒もしくは節酒を心がける。
4. 野菜や海草、キノコ類などを十分摂取し、食物繊維やビタミン類をとる。

 食事は総摂取カロリーに注意をしつつ、脂肪量をなるべく抑え、糖質もとりすぎに注意しよう。「女性に多くみられるのが米菓の食べ過ぎ」(船津医師)。また、「鉄分の過剰摂取もNASH発症の要因」(横山教授)と考えられているのでご注意。

 食物繊維は腸内環境を整えるだけではなく、高脂肪食と一緒にとることで、脂肪を燃えやすくするという報告もある。

お薦めの野菜や果物
抗酸化成分の多いもの
●ブロッコリー
●スプラウト
●トマト
●ホウレン草
●タマネギ
●リンゴ
●バナナ
●オレンジ
●グレープフルーツなど

食べ過ぎ要注意のもの
脂肪や糖質の過剰摂取もNG
●甘い清涼飲料水、スポーツ飲料
●おせんべいなどの米菓
●脂っこい食べ物(フライなど)
●バター、マヨネーズ
●精製された炭水化物(ご飯、パン、砂糖など)
●鉄のサプリメントのとり過ぎ