早期に脂肪肝を発見することが大切!

 怖い脂肪肝炎(NASH)も怖くない脂肪肝(NAFL)も始まりは同じ。「炎症を起こす前段階のNAFLD状態なら、食事や運動の改善で健康な肝臓に戻せる」と船津医師。

 そのためには早期に脂肪肝を発見することが重要だ。船津医師は、「健康診断の血液検査の数値に異常があれば、エコー検査を受けて」と薦める。明確な診断基準がないため、エコーで肝臓の画像を見て、医師が総合的に判断するしかないからだ。

血液検査でチェックすべき項目と基準値
AST 30U/L以下 アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ。アミノ酸を作り出す酵素の一つで肝臓、心臓、筋肉に多く存在。ALT 30U/L以下 アラニンアミノトランスフェラーゼ。アミノ酸を作り出す酵素の一つで肝臓に多く存在。 LDL 60~119mg/dl 悪玉コレステロールと呼ばれる。
(数値は日本人間ドック学会の検査表の見方より引用)

 肝機能の指標「AST」「ALT」の数値が一つの目安となる。ALT値がAST値を上回ると非アルコール性脂肪肝や慢性肝炎が疑われる。LDLコレステロールが急上昇している場合も要注意。

●数値が高い人はエコー検査を
 「腎臓より肝臓の方が明るく見える」場合、脂肪肝の疑いが強まる。エコー検査をするなら、肝臓専門医がいる施設や消化器内科がお薦め。

 次回は、脂肪肝を予防するための生活習慣や対処法をご紹介します。

船津和夫
三越厚生事業団 三越診療所 医師
船津和夫 専門は消化器(肝臓)。慶應義塾大学医学部卒業後、東京歯科大学助教授などを経て、三越総合健診センター所長に就任。12年6月から現職。「肝機能の値が気になる人は、2年に1度は腹部エコー検査を受けて」。
横山裕一
慶應義塾大学 保健管理センター 教授
横山裕一 慶應義塾大学医学部卒業後、米国マウントサイナイ大学留学を経て、18年より現職。「閉経後の女性の体は、ホルモンバランスの変化が起こり、脂肪肝になりやすい。食事、睡眠、運動習慣を見直すことで防ぎたい」。

取材・文/荒川直樹 イラスト/三弓素青、PIXTA

日経ヘルス2015年7月号掲載記事を再構成

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