30〜40代の女性に多い片頭痛は、ストレスや女性ホルモンの乱高下が原因。痛みを抑えるためについ市販薬に頼りたくなりますが、ほどほどに。頭痛の頻度を抑える生活習慣に切り替えるのが先決です。

 前回の記事・頭痛もちさん我慢しないで 片頭痛・緊張型頭痛を知る

市販薬の頼りすぎはNG、生活習慣を改善して頭痛の頻度を減らすといい
市販薬の頼りすぎはNG、生活習慣を改善して頭痛の頻度を減らすといい

市販薬の頼りすぎは症状を悪化させる原因に

 片頭痛の人の多くは市販の鎮痛薬で対処しており、受診者は3割程度との調査がある。「市販薬を月1〜数回使って治まるなら問題はない」と富士通クリニックの五十嵐久佳医師。「市販薬の効きが悪いのに我慢していたり、月10日以上市販薬をのんでいる人は頭痛専門医を受診すべき。脳が痛みに敏感になり、かえって頭痛の回数や痛みが増す恐れがある」(五十嵐医師)。

市販の鎮痛薬ののみ過ぎはかえって頭痛をひどくすることに
ひどい頭痛を経験
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頭痛発作(痛み)への不安が大きくなる
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早めにあるいは予防のため頭痛薬を服用
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薬をのむ回数や量が増えてくる
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痛みに敏感になり、頭痛回数が増える
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薬が効きにくくなる
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不安がますます大きくなり、薬の量が増える
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薬物乱用頭痛に!

 市販薬を予防的にのむのはもってのほか。これらを「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」といい、通常の片頭痛よりも治療が難しく、回復に時間がかかる。

1カ月に15日以上頭痛があり、10日以上市販の頭痛薬を服用している場合、薬物乱用頭痛が疑われる。薬を多用すると脳が痛みに敏感になり、薬が効きにくくなるうえ、普通なら知覚しないささいな刺激も痛みとして認識するように(上図)。つまり痛みの閾値が下がってしまう。その不安からまた薬をのむ、という悪循環に
1カ月に15日以上頭痛があり、10日以上市販の頭痛薬を服用している場合、薬物乱用頭痛が疑われる。薬を多用すると脳が痛みに敏感になり、薬が効きにくくなるうえ、普通なら知覚しないささいな刺激も痛みとして認識するように(上図)。つまり痛みの閾値が下がってしまう。その不安からまた薬をのむ、という悪循環に