漢方薬でも頭痛の頻度は抑えられる

 受診するほどではなく西洋薬はあまり使いたくないという人は、漢方薬を試す価値あり。「20年以上、片頭痛に悩まされていた人が、漢方だけで改善したケースも。今までの診療経験では、片頭痛の人には冷え性やむくみが多い。漢方はこうした体質を変えていくことで、頭痛を起こりにくくするようだ」(牧田院長)。痛みが起きにくくなる体質への改善が漢方の強み。なお、呉茱萸湯(ごしゅゆとう)は、頓服(とんぷく)としても使える。

 片頭痛に対する代表的な漢方は2つ。「呉茱萸湯(ごしゅゆとう)には片頭痛の症状を和らげるとともに、片頭痛患者に多い冷え性を改善する作用がある」(牧田院長)。一方、五苓散(ごれいさん)には「むくみをとる作用がある。片頭痛は、漢方医学的には身体に過剰な水分がたまっている状態、とする概念があり、五苓散が効く人も多い」(牧田院長)。いずれも、頭痛がないときにも継続的に服用するのがお薦め。トリプタン製剤などの西洋薬との併用もできる。

五十嵐久佳
富士通クリニック(川崎市中原区)・東京クリニック 頭痛外来担当 医師
五十嵐久佳 北里大学医学部卒業。宮内庁病院第二内科医長、神奈川歯科大学附属横浜研修センター内科学講座教授などを経て2012年より現職。北里大学医学部客員教授兼任。日本頭痛学会理事・専門医。
牧田和也
牧田産婦人科(埼玉県新座市)院長
牧田和也 関西医科大学卒業後、慶應義塾大学産婦人科学教室入局。2008年より現職。婦人科領域では数少ない頭痛専門医。

取材・文/福田(渡邉)真由美 構成/黒住紗織 イラスト/いいあい イメージ写真/PIXTA

日経ヘルス2015年5月号掲載記事を再構成

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