痛みが強い月経時の片頭痛には気をつけよう

 特に月経時に片頭痛を起こす人は要注意。「月経時の片頭痛は他の誘因で起こる片頭痛よりも痛みが強い傾向があることがいわれている」(牧田産婦人科の牧田和也院長)。頭痛がなくても月経痛対策で服薬する人も多く、月内の服薬回数が増えがちだ。

 「市販薬を使い過ぎかも」と思ったら、頭痛の記録をつけてみて。「日ごろから頭痛が起こった日、症状の内容や強さ、きっかけとして思い当たる出来事などを手帳にメモしておくと、服薬回数も把握でき、頭痛の誘因も見えてきて回避しやすくなる。記録すると服薬回数を減らせる効果も」(五十嵐医師)。月経痛のためにのんだ分も記録を。

 病院での片頭痛の治療は、誘因を見つけてなくすことと、痛みを抑える薬の処方が柱。薬は主に「トリプタン製剤」が使われるが、のむタイミングが重要だ(下記参照)。

片頭痛には「トリプタン製剤」が有効。痛み始めにのむのが効かせるコツ
片頭痛には「トリプタン製剤」が有効。痛み始めにのむのが効かせるコツ
片頭痛の発作はほとんどが上図のような経緯をたどる。トリプタン製剤(左写真は一例、点鼻薬や自己注射もある)は痛みが激しくなってから服用しても効かないことが多い。痛み始めのタイミングで使うと、痛みの「山」の手前で終息させられる。まだ軽い痛みでも、頭を軽く振って響くと感じたら、それが使うタイミング

 痛み始めにすぐにのむと効きがいいので、症状が出たらすぐのめるように、薬は携行しておくといい。症状の出方や強さによっては、このほかに消炎鎮痛剤や制吐剤などを使うことも。頻発する人には予防治療もある(下記参照)。

片頭痛の頻度を減らす予防治療もある

 頭痛発作が頻繁に起こったり、薬物乱用頭痛になっていたりする場合は、薬による予防治療で回数を減らすことが可能だ。

 予防に有効とされる薬には抗てんかん薬のバルプロ酸ナトリウムをはじめ数種類あるが、いずれも即効性はなく、最低2カ月の服用が必要。その間の頭痛の出方を記録して様子を見る。生活上の誘因を取り除くなど、セルフケアも併せて行う。

 予防治療を行っている医療機関は限られるため、まずは頭痛専門医に相談をしよう。

頭痛専門医の見つけ方
頭痛の受診先は内科や脳神経外科を選びがちだが、頭痛に詳しい医師でないと、的確な診断や治療が受けられないことも。診療科にかかわらず、日本頭痛学会が認定する頭痛専門医を受診先に選ぶのがお薦めだ。
日本頭痛学会認定頭痛専門医一覧