4.体の異常タイプ

⇒眠りを浅くする3つの病気、それぞれの対処法

 体の異常で睡眠が浅くなっている場合は、その異常を治療することが先決。「いびきがひどい」「時々、息が止まっている」と家族から指摘された人は、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高い。鼻マスク(CPAP)を装着して空気を気道に送り込む治療法が中心だが、軽症ならマウスピースも効果的だ。「睡眠中に装着して下あごが少し前に出るようにすると、気道が広がって呼吸がしやすくなる」と東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科の秀島雅之講師。

 一方、布団に入ると足がむずむずするレストレスレッグス症候群は体質的なもので、女性に多い傾向がある。「貯蔵鉄(フェリチン)が減っている場合は、鉄剤の服用で症状が改善する」と内山教授。睡眠中に足がぴくつく周期性四肢運動障害を合併することも多いが、寝る前に脚のマッサージをしたり、カフェインやアルコールを控えたりすると症状緩和に役立つ。

睡眠時無呼吸症候群は軽度ならマウスピースで改善
睡眠中は喉の筋肉が緩み、舌も重力で垂れ下がる。こうして気道がふさがり、呼吸できない状態に。狭い気道を空気が通るときの振動音が、いびきだ。マウスピースで下あごを前に出すと、舌の沈下が防止でき、気道が確保される。
これがマウスピース。歯並びやあごの形に合ったマウスピースを作り、就寝時に装着。下あごを前方に出すことで気道を広げる。医療機関で睡眠検査を行い、歯科への紹介状があれば健康保険もきく。(写真提供:秀島講師)
これがマウスピース。歯並びやあごの形に合ったマウスピースを作り、就寝時に装着。下あごを前方に出すことで気道を広げる。医療機関で睡眠検査を行い、歯科への紹介状があれば健康保険もきく。(写真提供:秀島講師)