体や心の異常の可能性も

 さらに、体や心の異常が原因で深く眠れないことも。体の異常で代表的なのは、いびきがひどく、寝ている間に何度も呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」。「女性は黄体ホルモンが減る更年期以降に起こりやすくなる。下あごが小さく、引っ込んでいる人も要注意」と東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科の秀島雅之講師。

 ほかにも、足がむずむずして、じっとしていられない「レストレスレッグス症候群」、睡眠中に足や手がピクピク動く「周期性四肢運動障害」のために、熟睡感が得られないこともある。

 一方、心の面で注意したいのが、うつ病。「うつ病の初期は、感情や意欲に関する訴えよりも、ぐっすり眠れない、熟睡感がないなどの訴えが多い」と国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の栗山健一部長。

年齢とともに熟睡感は得にくくなる

 10代や20代のときは長時間眠れていても、年齢を重ねると必要な睡眠時間は短くなる。つまり、長く寝床ですごすと、逆に睡眠が浅くなり、熟睡感を得にくくなるのだ。「よほど睡眠不足でない限り、毎日熟睡ということはあり得ません」と内山教授。

● 十分寝ているはずなのに、目覚めたときすっきりしない
● 眠りが浅く、途中何度も目覚める、早く起きてしまう
● 朝起きたとき、頭痛や肩こりがある

これらはいずれも、「熟睡感がない」ということになる。