なりたい自分はすでにあなたの中にある

 今のままの自分が嫌だと思ったら、心の底にちょっと引っかかっていたことはないかな?と思い出してみてください。やってみたいと思いながら挫折したこと、もしもできたらかっこいいなと思うものなど、誰にでもきっと何かあるはずです。

 何もしないと、何も変わらないけれど、小さな変化を起こすと、人生に小さな角度がついて、徐々に大きな変化が起こります。

 日々、カウンセリングをお受けしている中でも「変わりたいと思うけれど自分を守ろうとするあまりに、なかなか前進できない」という人が多くいらっしゃいます。そういったときには「俳優になったつもりで我を捨てる」方法を、一つのやり方として提案させて頂いております。

 「そういうのをやっている人は、自分とは別世界の人」「自分にはできない」と思っていたことができるようになってくると、勝手に作り上げていた自分の殻が破れ、新しい自分像ができてきます。そしてそれは、本来、自分の中に眠っていた種が芽を出したことでもあります。「自分には無理」と決めつけていた「我」があったために、育つことなく眠っていた種です。

 なりたい自分は、すでに種としてあなたの中に眠っています。そして、そのほかにもたくさんの種が眠っていますが、多くの場合、その種を育てることなく人生を過ごしてしまいます。 自分はダメだと決めつけず、偏った思い込みの「我」を捨て、まずは行動してみることで、あなたの中に眠っている種をゆっくりと育てていきましょう。

今回のアドバイス
「俳優になったつもり」になれば、迷いなく目標に進んでいける
変わりたい、と思ったときは、自分が「こうなりたいな」というロールモデルをまねしてみたり、「俳優になったつもり」になると、「恥をかくかも」「きっとうまくいかない」といった躊躇する心から自分を切り離すことができます。「やってみたかったけど勇気がなかったこと」に挑戦してみることもお薦め。達成できたときに、大きく「自信」を育てることができます。
羽鳥裕明
心理カウンセラー僧侶
羽鳥裕明 1968年生まれ。心理カウンセラー。真言宗智山派 僧侶。大学卒業後、9年間企業でエンジニアとして働いた後、31歳で得度し僧侶となる。悩みを抱える人の身近な存在でありたいという思いから、悩み相談の「駆け込み寺」を開設し、悩みごと相談を行う。著書に『悩みが消えるお坊さんの言葉』(サンマーク出版)
http://hatorihiroaki.com/

取材・文/柳本 操 写真/PIXTA

日経ヘルス2016年11月号掲載記事を再構成

この記事は雑誌記事掲載時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります