悩んだり、イライラしたり、日々浮き沈みする心を穏やかにしたい……。そんな悩みに、心理カウンセラー僧侶の羽鳥裕明さんが寄り添い、仏教と心理学の視点からヒントをくれるこの連載。7回目は、「新しいことを始めたい」と思ったとき、一歩前に進む力を得るヒントについて、考えてみましょう。

どうせうまくいかないとためらうのではなく、まずはやってみる。これまでとは180度違う考え方をしてみて。
どうせうまくいかないとためらうのではなく、まずはやってみる。これまでとは180度違う考え方をしてみて。

 季節はもうすっかり冬ですね。人生に節目があるように、新たな季節は心機一転のチャンスでもあります。

 何かに挑戦することは、素晴らしいことです。ただ、始めたい、という気持ちと同時に「でも、忙しくて時間がないかも」「続けられるかな」「自分には夢のようなことでやっぱり無理」といった考えがわいてくることがあります。

 この「うまくいかないのではないか」とためらう気持ちは意外に強力で、実際に物事をそちらの方向に引き寄せてしまうほどの力を持つことがあります。なぜなら、人は自分が感じて考えたことを「正しい」と考え、その証拠を集めながら行動するような一面があるからです。