悩んだり、イライラしたり、日々浮き沈みする心を穏やかにしたい……。そんな悩みに、心理カウンセラー僧侶の羽鳥裕明さんが寄り添い、仏教と心理学の視点からヒントをくれるこの連載。1回目は、「ネガティブな自分」との向き合い方について考えてみましょう。

ネガティブな発想をする自分のことをどんどん嫌いになっていくこと…ない?
ネガティブな発想をする自分のことをどんどん嫌いになっていくこと…ない?

 はじめまして、心理カウンセラー僧侶の羽鳥裕明です。この連載で、読者のみなさんの心が少しでも穏やかになるヒントをお伝えしていけたら、と思っています。

 私は現在、東京や群馬を拠点にカウンセリングを行ったり、法事を行ったりしています。僧侶になる前は、電子回路の設計エンジニアとして9年間、企業に勤務していました。エンジニアになったのは、家電販売店に生まれ育ったことが影響しているかもしれません。

 幼かったころの私は、父親のトラックの助手席に乗って、いろいろなお宅に出かけたものです。出されたお茶を飲みながら、話題に上る家庭内のもめごとや大人たちの悩みごとなどに耳を傾けていた記憶があります。その後、大学では好きな電子工学を学びながらも心理学にも興味を引かれ、縁あって31歳のときにお寺の娘さんと結婚して僧侶となり、心理カウンセラーとしても活動するようになりました。