背すじを伸ばして早歩きすると筋肉が育つ

 効果を上げる最大のポイントは「全速力の7割以上」というスピード。感覚としては「ややきついと感じる速さ。物足りなければ全速力で歩いてもいい」と能勢特任教授。効果が確認されている「週20セット」は早歩きの合計が週1時間という意味。オンとオフの切り替えは重要だが、3分にこだわる必要はなく、2分ずつ、5分ずつでもOK。

 もう一つ、気をつけたいのが「大股で歩く」こと。大股で歩くと、より多くの筋肉が使われるからだ。そのためには背すじを伸ばし、腕を大きく前後に振るといい。かかとから着地するようにすれば自然と大股になる。

 靴はヒールのないものがベスト。ヒールが高いと、かかとから着地するのが難しく、歩幅が小さくなってしまうからだ。

 バッグは片方だけにかけ続けると姿勢のゆがみにつながる。バランスを取るため、1セットずつ左右にかけ替えるといい。

効果的な歩き方

1. 遠くを見て背すじを伸ばして

 足もとを見ながら歩くと背中が曲がり、歩幅が小さくなってしまう。大股で歩くためには背すじを伸ばす必要があり、そのためには頭を上げて遠くを見ることが大切だ。「25mくらい先を見るつもりで」と能勢特任教授はアドバイスする。

2. ひじを直角に曲げ、後ろに引く感じ

 ひじは直角に曲げて、脚の動きに合わせて前後に大きく振ろう。大股で歩きやすくなるとともに、リズムとバランスが取れて腰を痛めにくくなる。また、上半身の筋肉を鍛える効果もある。腕を大きく振るためには、ひじを強く後ろに引くことを意識するといい。

3. かかとから着地し、大股で

 フォームの基本は「大股で歩き、体重移動を早くする」こと。下半身には全身の60%以上の筋肉が集まっている。脚を大きく動かすことによって、多くの筋肉が動員され、より筋肉が増えやすくなる。かかとから着地することを心がけると、自然に歩幅が大きくなるはずだ。

4. バッグはバランスよく左右かけ替えて

 バッグは背中に背負えるリュックタイプがベストだが、リュックでの通勤は難しい人が多いだろう。肩からかける場合、1セットごとに左右にかけ替えよう。ずっと片方にかけ続けていると、姿勢のゆがみの原因になる。

能勢 博
信州大学医学部 特任教授
能勢 博 1979年、京都府立医科大学医学部卒業。同大学助教授、信州大学医学部教授を経て、2018年から現職。著書に『「歩き方を変える」だけで10歳若返る』(主婦と生活社)など。

取材・文/伊藤和弘 写真/鈴木 宏 モデル/殿柿佳奈

日経ヘルス2016年5月号掲載記事を再構成

この記事は雑誌記事掲載時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります