室内にカビをまき散らす【エアコン・加湿器】

 久々にエアコンをつけたらカビ臭い……。その主な原因は、フィルターについたカビやほこり。「エアコンのフィルターは初夏と初冬の年2回、冷房・暖房を頻繁に使う前にそうじするのがお薦め」と川上部長。

 「フィルターは、外して水洗いしたあと、塩素系洗剤で殺菌を。洗えない部分はエタノールで拭いておくといい」(川上部長)

 面倒ならプロにクリーニングを頼んでもいい。「エアコンと換気扇のそうじはプロに任せる人が増えている」と家事研究家の高橋ゆきさん。

 なお冬に活躍する加湿器、年中稼動している空気清浄機は、よりこまめにそうじするように。

 いずれも水洗いできない部分はエタノールで殺菌しておこう。

カビが増える原因

●ほこりや湿気がフィルターにたまる
●部屋の中のカビを集めている

対策法

1. フィルターは水洗いして塩素系の洗剤で殺菌

たまったほこりの中にカビ菌が潜んでいる
たまったほこりの中にカビ菌が潜んでいる

フィルターの汚れは掃除機で吸い取るだけでは不十分。風呂場などで水洗いして汚れを落とし、塩素系洗剤を吹きかけて30〜40分放置したら水でしっかり洗い流す。水気を取って、しっかり乾かしてから元に戻すこと。

2. 水洗いできない部分はエタノールで拭いておく
エアコン本体など水洗いできない部分は、まず大きなほこりを掃除機で取ってしまい、全体をエタノールをつけた布で拭いていこう。汚れ落としと一緒に殺菌&消臭もできる。

ダニ・カビそうじでは“ぞうきんは使い捨て”が原則

ダニやカビ対策では、汚れを拭き取ったぞうきんを繰り返し使うのはNG。「かえってアレルゲンを塗り広げてしまうことになる。古くなったタオルやTシャツを切って、使い捨てクロスをたくさん作り、どんどん使い捨てて」(川上部長)。

汚れが肌荒れの原因に【メイク道具】

 毎日繰り返し使う化粧パフやメイクブラシ、どれくらいの頻度で洗ってる? しばらく洗わずにいたら黒ずんだり、化粧品とは違ういやな臭いがするなんてことも。その原因はカビかもしれない。

 川上部長らの研究によると、汚れたメイク道具には、ほこりや土壌に潜むカビがたくさん潜んでいることが分かってきた。

 「屋外を出歩く間に顔に付着したカビの胞子が、化粧直しのたびにパフや化粧品に移るのではないか」と川上部長。

 汚れたメイク道具が肌荒れを引き起こす可能性もある。1〜2週間に一度など、定期的に洗おう。

カビが増える原因

●化粧品の油や皮脂が道具に蓄積する
●肌についた菌がメイク直しで道具に付着する

対策法

お湯+中性洗剤でこまめに洗う

汚れたメイク道具には、ほこりや土壌に潜むカビがたくさん潜んでいる(パフ写真提供:川上部長)。中性洗剤でもみ洗いしよう
汚れたメイク道具には、ほこりや土壌に潜むカビがたくさん潜んでいる(パフ写真提供:川上部長)。中性洗剤でもみ洗いしよう

洗うペースは1、2週間おきに一度でOK。「台所用洗剤やボディソープなどの中性洗剤を使って、もみ洗いして陰干しするといい」と川上部長。洗うたびパフの肌触りは悪くなるから、数回洗ったら買い替えるようにしよう。

化粧パフには土壌菌がたっぷり
「2週間使用したパウダーファンデーション用のパフを調べたところ、ツチアオカビやススカビ属の一種など、土壌やハウスダストに分布するカビが多く検出された」(川上部長)。

知っておくと便利! ダニ・カビを増殖させないコツ

「5大ポイント」をそうじするほかにも、ちょっとした心がけでダニ&カビを寄せつけない空間づくりができる。すぐにできる簡単なものばかりだから、さっそく試してみて。

●壁や窓の結露をキレイに拭き取る

縦→縦→縦…横の順に拭く
拭きそうじは、高橋さん流の「縦→縦→縦…横」の順に拭くのが断然お薦め。「左から順に縦方向に拭いていき、全部拭いたら一番下を横にきゅっと拭く。これが汚れを目立たせずに効率よく拭く方法」と高橋さん。

●戸棚の中にも風を通す

出かけるときに扉を“ちょい開け”がいい
戸棚の中は湿気がこもりやすい。そのため、洗った食器が完全には乾いてないのにしまうと、食器棚の中でカビが生えることもある。「いつも開けっぱなしにするのはイヤでも、外出するときなどに食器棚や戸棚、シンク、洗面所の収納棚などの扉を“ちょい開け”して風が通るようにしておくといい」(高橋さん)。

●クローゼットもカビ・ダニ対策

セーターやコートは一晩おいてからしまう
夏物と違って、セーターやコートなどの冬物衣類は1回の着用で洗濯しないことが多いが、「1日分の汗や皮脂がたっぷりついたまま、クローゼットにしまうとダニやカビが繁殖する原因に。一晩ラックなどにかけて、湿気が抜けてからしまうように」(高橋さん)。

●粉もんはダニの大好物

小麦粉・お好み焼き粉は密閉して冷蔵庫で保管
粉製品はダニの大好物。「きちんと保管しておかないと、家中からダニが集まり袋の中で大繁殖することも」と川上部長。知らずにダニだらけのパンケーキを食べ、呼吸困難などのショック症状を起こすこともある。開封後は必ずシール容器や缶などの密閉容器に入れ、冷蔵庫か冷凍庫で保管を。夏を越したものは年末に思い切って処分してしまおう。

●“向き”でカビの生えやすさが違う

すのこは横向きで使う
押入れなどの湿気対策に「すのこ」を敷く場合は「すのこの板目を横にして置くこと」と高橋さん。「そうすることで下に空気の通り道ができ、カビが繁殖しにくくなる。板目を縦に置くと空気が通れず逆効果に」(高橋さん)。

●すぐしまうのはアウト!

そうじ道具はよく乾かしてからしまう
スポンジやブラシ、バケツなど、何度も使うそうじ道具も、「気をつけないとダニ・カビの原因に。そうじが終わったらすぐ隠すようにしまうのではなく、日干しや浴室乾燥などでよく乾かしてからしまうこと」(高橋さん)。

川上裕司
エフシージー総合研究所 暮らしの科学部 IPM研究室 取締役・部長 博士(農学)
川上裕司 農学博士。専門は環境生物学と昆虫病理学。真菌、ダニ、昆虫などの生活環境に関わる有害生物とアレルギーについて研究活動を行う。科学番組の制作協力や東京家政大学大学院非常勤講師も務める。
高橋ゆき
家事研究家 家事大学学長
高橋ゆき 家事代行サービス・ハウスクリーニングサービス「ベアーズ」取締役副社長。家事のスペシャリストとして多方面で活躍。著書『楽ラク掃除の基本』(学研パブリッシング)ほか多数。

取材・文/茅島奈緒深、堀田恵美 イラスト/もり谷ゆみ

日経ヘルス2016年1月号掲載記事を再構成

この記事は雑誌記事掲載時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります