ダニ・カビが繁殖しにくい環境を作る掃除アイテム

 台所用、トイレ用など場所別に洗剤を買いそろえなくても大丈夫。重曹とエタノール、塩素系洗剤の3つだけで、ダニ・カビ退治はもちろん、部屋中ピカピカにできる!

重曹◆ダニ&カビが好む皮脂などを分解
万能汚れ取りの重曹は弱アルカリ性。水に溶けにくくクレンザーのような研磨力があるため、皮脂などの油汚れと水アカ、両方に使える。乾くと白浮きしやすいので、仕上げの水拭きをしっかり行おう。

水やハンドソープに混ぜて使う
スプレーボトルに水500mlと重曹小さじ1杯程度を入れ、布にしみこませて拭きそうじに(右)。「頑固な汚れには重曹と水で作ったペーストにハンドソープを混ぜてクレンザーに(左)。界面活性剤の力で洗浄力が増す」(高橋さん)

エタノール◆拭きそうじの仕上げに
殺菌&ダニよけ効果のエタノールはアルコールの一種。水で薄めて初めて殺菌効果を発揮するので、希釈してある「消毒用エタノール」がお薦め。揮発性が高く、引火の恐れがあるので火の近くで使用しないこと!

布にスプレーして拭きそうじ
直接つけると変質するものもあるので、布にスプレーして使う。「スプレーボトルに消毒用エタノール200mlと好みのアロマオイル20滴ほどを混ぜれば香りも楽しめる」(高橋さん)

塩素系洗剤◆フィルターや網戸、丸洗いできるものに
塩素系洗剤は、次亜塩素酸ナトリウムが主成分。高い洗浄・殺菌効果があり、漂白やカビ取りに使用される。クエン酸などの酸性洗剤、エタノールなどと混ぜると有毒ガスが出るので要注意。

つけ置きやスプレーして使う
エアコンや空気清浄機のフィルターなど外して丸洗いできるものは塩素系洗剤で一気に消毒してしまおう。使用時は必ず換気すること

今話題の「水で洗う洗剤」や「セスキ」って何?

 水を電気分解してマイナスイオン(アルカリイオン)を発生させた弱アルカリ洗浄剤。洗浄剤として販売されているものはセスキ炭酸ソーダよりアルカリ度が高く、頑固な油汚れやたんぱく汚れに向く。素手で使用すると、手の油分も分解してしまうため手荒れの原因になることも。

 最近、ナチュラルクリーニング派の間で人気の弱アルカリ洗浄剤。重曹よりもやや強いアルカリ性で、油脂やほこり、血液の汚れを落とす力は重曹より強い。水に溶けやすいため研磨力では重曹に劣り、壁や床にこびりついたようなしつこい汚れには向かない。

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川上裕司
エフシージー総合研究所 暮らしの科学部 IPM研究室 取締役・部長 博士(農学)
川上裕司 農学博士。専門は環境生物学と昆虫病理学。真菌、ダニ、昆虫などの生活環境に関わる有害生物とアレルギーについて研究活動を行う。科学番組の制作協力や東京家政大学大学院非常勤講師も務める。
高橋ゆき
家事研究家 家事大学学長
高橋ゆき 家事代行サービス・ハウスクリーニングサービス「ベアーズ」取締役副社長。家事のスペシャリストとして多方面で活躍。著書『楽ラク掃除の基本』(学研パブリッシング)ほか多数。

取材・文/茅島奈緒深、堀田恵美 イラスト/もり谷ゆみ