ショウガの健康効果をさらに高める秘訣は「80℃加熱」にありました。加熱すると、ダイエットに役立ち、体を芯から温めてくれる成分が、生ショウガの10倍にアップします。簡単にできる作り方も紹介します。
「80℃ショウガ」って何?
薬味でとったり、すり下ろして紅茶に入れたりと、ショウガ好きな読者も少なくないのでは。そんな「定番ヘルシー食材」であるショウガの健康効果を最大限生かす方法を発見!
それは、80℃でじっくり加熱すること。名付けて「80℃ショウガ」。
生のショウガに多く含まれる辛み成分のジンゲロールは、加熱によって一部がショウガオールに変化する。このショウガオールこそが注目の成分だ。
食品医学研究所(群馬県安中市)の平柳要所長によれば、「ショウガオールの、体を芯から温める作用は、ジンゲロールよりも強力。脂肪を燃やしやすくする作用もある」という。そのショウガオールを増やすのに最適な条件が、「80℃で3時間の加熱」(平柳所長)だ。
「80℃に保つのは難しそう」と思えるが、「80℃ショウガ」の作り方は意外と簡単! 保温水筒にショウガと熱湯を入れておくだけ。鍋でまとめて作るなら、沸騰後にごく弱火に保てばいい。出来上がった「80℃ショウガ」をさらにオーブンで加熱して乾燥させるとパワーアップ!
ちなみに、漢方でも「温め効果は、生のショウガを乾燥させた生姜(ショウキョウ)よりも、湯通ししたり蒸したりして乾燥させた乾姜(カンキョウ)の方が強い」と日本薬科大学の丁宗鐵学長はいう。
加熱でショウガ成分がパワーアップ!
ジンゲロール(生のショウガ成分)
●胃腸の働きを助ける
●殺菌効果
●末端を温める効果
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加熱するとジンゲロールの一部はショウガオールに変化
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ショウガオール(加熱したショウガ成分)
●強いダイエット効果
●深部から温める効果
●認知症予防 など
ジンゲロールは、生のショウガの皮近くに多く、最初に感じるピリッとした辛みが特徴。手や足など末端を温める作用を持つ。生のショウガでエネルギー代謝が高まるといった研究報告もある。
一方、ショウガオールは、じわっとくる辛みが特徴。体を深部から温める。体温を調節する受容体を活性化してアドレナリンの分泌を促し、体脂肪を燃えやすい状態(遊離脂肪酸)にし、脂肪を消費しやすくする。