今の日本に圧倒的に足りていないもの。それは女性のリーダーです。120位というジェンダーギャップ指数からもそのことが浮き彫りになる中、「大きな組織のトップ」というバトンを受け取った注目のリーダーたちは、どのように考え、自分の色を出しながら動いているのでしょうか。そして、彼女がリーダーになった理由とは? トップダウンでも、ボトムアップでもない、これからのリーダーに必要とされるスキルについても考察します。

 世界経済フォーラムが2021年3月31日に発表した、男女格差を測る「ジェンダーギャップ指数2021」によると日本は156カ国中120位、「教育」の分野だけで見ても92位という結果だった。2020年度学校基本調査によると、最高学府である大学・大学院の女性教員の割合は35%、学長に至っては、女性学長の割合は私立で12.8%、国立ではたったの3.5%。公立が20%近い数値なのは、女性教員が多い看護・福祉系の学部がメインの大学が公立には多いためだ。

 ただ、2018年度(全体)の女性学長の割合が11.3%だったことに比べれば、少しずつ増えてはいる。特に私立大学の女性学長は、この2年で66人から10人増えて76人となった。2020年には、2025年に創立150周年を迎える伝統校の同志社大学でも植木朝子さんが初の女性学長として就任した。

同志社大学学長 植木朝子さん
同志社大学学長 植木朝子さん
1967年東京都生まれ。お茶の水女子大学人文科学研究科修士課程修了。同志社大学では女性として初の文学部長、副学長を務め2020年より現職。専門分野は日本中世文学(写真提供/同志社大学)