自然体で流れに逆らわず、軽やかに生きる。そんなイメージの渡辺満里奈さん。50歳を迎えた今の心境や、仕事のこと、そして夫のうつ病を一緒に乗り越えたことなど、等身大で語ったロングインタビューを、6回にわたってお届けします。第5回は、夫がつらいときにどんな距離感で接していたか、渡辺さん自身の悩みは、誰に、どんなふうに聞いてもらったのかを話してもらいました。自分がつぶれてしまわないために渡辺さんが大切にしていたことは何だったのでしょうか。

 夫の名倉潤さんが、頸椎(けいつい)椎間板ヘルニアの手術後に、睡眠障害に陥ったのは2018年夏のこと。うつ病と診断されたのは10カ月後の2019年の春で、同年夏、2カ月間の休養を取得した。その後仕事に復帰して、以前にも増した活躍ぶりは誰もが知るところだろう。妻として支え続けた渡辺さんは、「サポートする側は、一人で頑張りすぎないことが大事だと思います」と強調する。

悩みは、うんうんとうなずいて聞いてもらうだけでよかった

編集部(以下、略) 名倉さんが闘病していたとき、病気に対する不安や悩みを聞いてもらう相手はいましたか?

渡辺満里奈さん(以下、渡辺) よく、事務所のスタッフと親友に聞いてもらっていました。親には、心配かけると思って詳しいことは言えず、休養を公表するまで黙っていました。

 誰かに悩み事を話すときって、うんうんとうなずいてもらうだけでいいんですよね。話すほうは、心の中にたまったモヤモヤやイライラを吐き出したくて話しているから。その意味で、遠慮せずに泣ける相手がベストだと思います。

 私も、何度かスタッフや親友に話を聞いてもらいながら、ワーッと泣いたことがありました。泣くと、泣いたからもう大丈夫! みたいに思えてスッキリして、気持ちの整理がついたんです。そうやって自分を整えながら、一歩ずつ前に進んでいった気がします。

「悩みは一人で抱え込まずに、誰かに吐き出して!」
「悩みは一人で抱え込まずに、誰かに吐き出して!」